この記事で寄り添うお悩み
- 離婚したくないと思う理由って何があるの?
- 離婚を回避するためにすべき事があれば知りたい
- 離婚したくない場合に避けた方がよい事も教えてほしい
「配偶者から離婚を切り出されそう」
「突然離婚してほしいと言われ回避したい」
配偶者から離婚してほしいと言われても、離婚したくない想いに反して離婚に応じる必要はありません。
しかし配偶者が強く離婚を望んでいるのなら、夫婦関係の修復には多大な時間を要するでしょう。
では離婚をせずに結婚生活を維持していくにはどうすれば良いのでしょうか?
今回は離婚を回避するためにすべき事と離婚したくない場合に絶対避けるべき事についてまとめました。
この記事の著者
やっぱり離婚したくない!よくある理由
離婚したくない理由は千差万別ですが、下記のような理由が多い傾向にあります。
- 配偶者に愛情がある
- 子どもを片親にしたくない
- 生活スタイルを変えたくない
- 世間体が悪い
- 経済的負担が気になる
離婚を進める上で、あなたは特に何が気になるでしょうか。
離婚の何にひっかかっているかを正確に伝えるためにも、離婚したくない理由を明確にしておくことは大切です。
ただ、いくつか当てはまる理由はあろうとも離婚を回避したい想いに変わりはありませんよね。
どうしても離婚したくない場合、具体的にどのような行動をすべきか確認していきましょう。
離婚したくない人が離婚回避のためにすべき事
離婚を回避するためには、原因を探り、対策を講じる必要があります。
具体的に何をすべきか、1つずつ把握しましょう。
離婚届不受理申立書を提出しておく
離婚届不受理申立書とは、合意がないうちに配偶者による離婚届の提出を防ぐための書類です。
日本では原則的に、離婚届が提出されると離婚が成立してしまいます。
離婚届は紙1枚ですから、出そうと思えばすぐに提出できてしまうもの。
合意のない進行を防ぐために不受理申立という制度ができました。
離婚届不受理申立書の書式は、お住まいの自治体役所等で入手できます。自治体によってはHPからダウンロード可能な場合もあります。
書式が手に入ったら必要事項を記入して、自治体の役所窓口に提出しましょう。夜間や休日でも受け付けてくれます。
冷静に何度も話し合う
最も重要なのは、冷静な話し合いです。
相手が離婚したい理由を確認し、自分は離婚したくない旨をきちんと伝えましょう。
離婚に限らず何事も、原因が分からなければ対策できませんよね。
そのためにはまず「なぜ?」の部分を明確にしておく必要があります。
特に日頃から愛の言葉を伝えていない場合は「好きだから別れたくない」の一言で改善するケースもあるものです。
なお話し合いの時は何を言われても冷静でいてください。
たとえ事実と異なる話をされても激昂したり号泣したりしてはいけません。
感情的になると逆上してしまい、最終的にはどちらかが席を立ってしまうでしょう。話し合いが決裂すれば離婚への道を歩んでしまいます。
離婚したくないなら、冷静な話し合いが何よりも重要なのです。
価値観の違いを受け入れる
話し合いの中でどうしても受け入れられないことや理解できないことも出てくるでしょう。
そんな時は「自分には理解できないが、配偶者はこの価値観を大事にしている」と割り切りましょう。
夫婦の価値観の違いはさほど問題ではありません。大切なのは「配偶者が自分とは違う価値観で生きているという事実を受け入れる」姿勢です。
たとえば既婚男性が配偶者以外の女性と話すだけで不倫だと感じる女性がいる一方で、友人なら性別に関係なく会話を楽しみたいと考える男性もいるでしょう。
どちらが正しいということではなく、配偶者の価値観とあなたの価値観が異なるというだけです。その事実を受け入れる姿勢が離婚回避を促します。
相手は変えられないと意識する
「相手は変えられない。変えられるのは自分だけ」という言葉は頻繁に耳にしますよね。
しかし配偶者に関してはなぜか「相手を変えられる」と思い込みがちに。
「配偶者が間違っているから正してやろう」「自分の意見に同調するのが当たり前」
上記のような思い上がりは、態度や言葉に現れ配偶者に伝わり、ますます離婚を助長させる原因になってしまいます。
配偶者はたしかにあなたと共に人生を歩んできた唯一無二のパートナーではありますが、それまでは単なる他人だったはずです。
自分の意見を押し付けたりせず、配偶者を変えようとやっきにならずに、相手の言い分を聞いてみましょう。
離婚したくないからこそ、自分よりも「相手の気持ちを尊重する」姿勢が大切です。
楽しめる時間を作る
出会った頃を思い出して、配偶者と楽しい時間を過ごすきっかけを作ってみると良いです。
仕事で忙しかったなら有給を取得して家族サービスをしてみてはいかがでしょうか。
配偶者の趣味に付き合ったり、旅行に出掛けてリフレッシュしたりするのも良いでしょう。
気をつけたいのは、配偶者の要求に全力で応えることです。
場合によっては2人で映画を観にいくよりも子どもの世話をしてほしいかもしれませんし、話しかけずに長時間寝かせてほしいという思いもあるでしょう。
配偶者があなたといて「心地よい」「一緒にいたい」と思えるような時間を共有してください。
不倫相手との関係解消
不倫をしているのなら、今すぐに関係を解消してください。
不倫は民法における離婚原因の1つ「配偶者に不貞な行為があったとき」に該当します。
つまり裁判になれば、不倫が理由で離婚が成立してしまうということ。
離婚したくないのなら、離婚原因は絶対に作るべきではありません。
もし配偶者が不倫に気付いていなくても、不倫の事実が明るみに出れば離婚が一気に近づきます。
配偶者が気付いている・いないにかかわらず、速やかに関係を解消してください。
離婚したくないなら絶対に避けるべき事
ここでは離婚したくない人が無意識にやってしまいがちな「NG行動」を解説します。
離婚回避の可能性を少しでも高めるために覚えておきましょう。
いったん別居する
5年以上の別居期間を経た場合、民法における離婚理由の1つ「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当する可能性があります。
頭を冷やすためにと数日だけ別居するつもりが、そのまま長期の別居に進展する恐れもありますよね。
離婚しないなら今後も同じ家で生活するのですから、別居はできるだけ避けましょう。
理詰めで説得する
相手を理詰めで説得しようとすると逆効果になる可能性があります。
たとえば下記のような説得をしてしまいがちです。
「自分の稼ぎがなければ生きていけない」
「あなたに再婚なんてムリ」
仮に配偶者が離婚を現実的に見据えているなら、あなたが想像していることはすでに何度も考え抜いているはずです。
否定的な言葉は逆に、離婚への決意を強くさせてしまうかもしれません。
理詰めで離婚を諦めさせるのは難しいとお考えください。
離婚回避を焦る
夫婦仲改善のために突然花束を贈ったり、好きなおかずを多めに作ったりする行為も離婚を思いとどまらせるには不十分かもしれません。
花束やおかずで機嫌が良くなるのなら、それは夫婦喧嘩のレベルです。
離婚を考えるということは、あなたと一緒に人生を歩んで行きたくないという明確な拒否であるといえます。
離婚を思いとどまらせるために必要なのは、配偶者への理解を示す姿勢であり、話に耳を傾ける真剣さです。
離婚回避を焦ってはいけません。
どうしても離婚したくない場合に使える奥の手
時間をかけても話がまとまらない場合は、夫婦関係調整調停の利用を検討しましょう。
夫婦関係調整調停とは、あなたと配偶者の間に調停委員が入り、双方の言い分を聞いて話をまとめてくれる制度です。
裁判所に申し立てを行うと、月1回のペースで話し合う機会が得られます。
この夫婦関係調整調停で「離婚したくない」と伝え続ければ、離婚に至る可能性をグッと下げられます。
ただし夫婦関係調整調停はあくまで最後の手段です。
二人の話し合いにより、結婚生活を維持できるよう努めましょう。
離婚したくない方からのQ&A
離婚したくないと悩んでいる方から特によくいただく3つの質問に対して、回答を用意いたしました。
離婚に応じないとどうなるの?
話し合いで合意とならない場合、基本的には離婚になりません。
離婚を拒否することは、何ら問題ではないのです。
しかし配偶者が離婚を強く希望している場合は、離婚調停を経て最終的に離婚裁判へと発展するでしょう。
法廷離婚事由に該当していた場合は、裁判に出席していなくても離婚が成立してしまいます。
裁判になる前に、専門家に一度相談しましょう。
性格の不一致が原因で離婚したくない!どうすれば?
離婚理由で一番多いのが性格の不一致。
要するに多くの夫婦が悩んでいるという事実を知ることが大切です。
その上で離婚回避のためにすべき事を1つずつ試してみましょう。
効果がなく配偶者の離婚の意思が固ければ、早い段階で第三者に相談してください。
おすすめは離婚・復縁の専門家を頼ることです。
あなたの立場も離婚回避の方法も熟知していますから、ベストな選択肢を提示してくれます。
反対に、身近な離婚経験者に相談することはあまりおすすめできません。
離婚する理由は夫婦の数だけ存在しますから、よその離婚話がどれだけ役立つかは分かりません。参考として聞いておくに留めましょう。
離婚したくない場合に相談できる場所は?
弁護士や行政書士、カウンセラーに相談ができます。
夫婦の状態や離婚への進行度合いによって相談すべき相手が異なることを覚えておきましょう。
弁護士は調停や裁判での心強い味方になります。法的な側面であなたを支えてくれる存在です。
行政書士は離婚を切り出されたり、どうしても修復がうまくいかない時の良き相談相手になってくれます。
離婚カウンセラーは離婚を目の前にしたときの状況や心の整理に一役買ってくれます。主に話し合いができる状態の時に利用するのがおすすめです。
どの専門家を選ぶにしても、離婚より復縁に強い専門家に依頼することが重要です。
以上です。
行政書士松浦智昌
行政書士松浦総合法務オフィス