この記事で寄り添うお悩み
- 離婚を切り出す最適なタイミングってあるの?
- 子連れと子無しで良いタイミングがあれば教えてほしい
- 離婚を切り出した後はどんな生活が待っているかも知っておきたい
離婚したいと思っても、最適なタイミングを把握しているでしょうか。
いつ離婚を切り出せばよいか分からずに、苦慮されている方もおられるでしょう。
そこで今回は、子どもの有無や年齢別に、離婚を切り出す最適なタイミングを徹底的にまとめました。
この記事の著者
離婚を切り出す最適なタイミング
離婚を切り出すなら、離婚したい日から逆算して「約半年前」が一つの目安になります。
あなたはずっと前から離婚を考えてきたでしょうが、相手は突然のことに驚き戸惑うかもしれません。
また住居や勤め先、子どもの親権や養育費、転校手配等で、離婚が決まってからもしばらくは手続きに忙殺される日々になるはずです。
離婚を切り出しても、実際に離婚できるまでには時間がかかるものだと考えておいてください。
なお調停や裁判にもつれ込んだ場合は、離婚成立まで1年ほどかかる場合もあります。
離婚のタイミング(子連れの場合)
離婚を考える際の最大の懸念事項は「子どもの将来」ですよね。
子どもにとって両親の離婚は人生における大変大きな出来事です。
対応を間違えると、一生かかっても治せない心の傷を負うことにもなりかねません。
ここでは、子どもの年齢に応じた一般的な離婚のタイミングを紹介いたします。ぜひ参考になさってください。
妊娠中なら出産後数ヶ月以上経過してから
現在妊娠中であれば、出産後数ヶ月が経過するまで待つことをおすすめします。
出産は交通事故と同じくらいのダメージを負いますし、出産直前に離婚を経験すると、母体のストレスが赤ちゃんに伝わりかねません。
無事に出産を終え子どもと対面し、体力が戻ってから離婚問題に取り組んではいかがでしょうか。
幼児なら幼稚園入園前後
子どもがまだ幼児なら、早いうちに離婚を切り出すと少ない影響で済む可能性があります。
幼少期の記憶は徐々に薄れてゆくものですから、成長してから離婚するよりも子どもの傷が浅くてすみます。
ただし幼児は頻繁に体調を崩すものですし、四六時中誰かが見ていなければなりませんよね。
離婚後に仕事をする予定なら、仕事中に預けられる保育園もしくは、あなた以外に面倒を見てくれる人を探す必要があるでしょう。
中学生までなら3月か8月
子どもが小学生または中学生なら、3月か8月に離婚が成立するように動き出すとタイミング的によい場合があります。
離婚して転居する場合、子どもは転校を余儀なくされるケースが大半を占めます。子どもからすれば、両親が離婚してどちらかと会えなくなり、友達とも疎遠になる、という未来が待っているのです。
ですから可能なら3月末に離婚し、学年の上がる4月に転校させるのが最適です。
しかし3月まで待てないなら、長期休暇前である7月や8月でもタイミングとして悪くないでしょう。
配偶者に離婚を伝えた後すぐに子どもにも伝えて、来るべき日に向けて心の準備をしてもらってください。
受験生なら受験終了後
子どもが受験を控えているなら、受験が終わった後がベストタイミングです。
進路に不安定になっているところへ両親の離婚問題が降ってかかったら、試験勉強にも身が入りません。
また受験シーズンのど真ん中で環境が激変してしまうと、やはり精神的に落ち着かなくなってしまいます。
子どもの頑張りを応援するなら、受験が終わるまで離婚を待ってあげる忍耐が必要です。
成人しているなら柔軟に
一番下の子どもが大学生以上なら、離婚を切り出すタイミングがいつでも大きな問題はないでしょう。
本気で離婚したくなった時に、2人で話し合ってください。
離婚するかどうかを子どもに打ち明ける必要もありません。
法的な子どもの扶養義務は20歳未満ですし、通常であれば両親の問題に口を挟むべきでないことも理解している年齢です。原則的に子どもへの報告は離婚成立後でOKです。
唯一問題となる可能性があるのは、子どもが結婚を控えている場合です。
結納や両家顔合わせ、結婚式等の途中から片親が来なくなったら、良い印象にはなりませんよね。
子どもが結婚を控えているのなら、離婚を口にするのは子ども夫婦の生活が安定してからが良いでしょう。
離婚のタイミング(子なしの場合)
子どもがいなければ、離婚のタイミングは夫婦2人の都合を優先して大丈夫です。
職場やお互いの実家の問題もあるでしょうが、2人の気持ちほど重要なものではありません。
ただし不倫やDV等が理由で離婚したいのであれば、通常とは異なる対応の仕方が必要です。
また状況によってタイミングの考え方も異なるため、詳しく解説していきます。
配偶者の長期休暇前
あなたは離婚に向けて着々と準備を進めてきたかもしれませんが、言い渡された方は突然のことでショックを受けることでしょう。
さらに相手は今後の身の振り方についても考えなければなりません。
ですから離婚を切り出すタイミングは、長期休暇に入る直前または長期休暇1日目だと聞いてもらえます。
相手への配慮を忘れずにいると、離婚の話も好転しやすいでしょう。
慰謝料を請求するなら証拠を集めてから
不倫等が原因で、慰謝料の請求を念頭に入れているのなら、証拠を集めてから離婚を切り出すという順番を覚えておいてください
不倫の証拠として認められやすいのは、不倫現場の写真や音声データ等です。
さらにLINEやメールのやり取りやホテルの領収書も証拠となりえます。
カーナビやGPSの記録も証拠として使える可能性があります。
DVやモラハラが原因なら今すぐ離れて
DVやモラハラ が原因で離婚を考えているなら、子どもの有無にかかわらず今すぐに離れる決断が必要かもしれません。
DVやモラハラは洗脳であり、長期間支配下におかれることで「もしかして自分の方が悪いのでは」と自己否定が加速してしまいます。
子どもにとっても悪影響でしかありませんから、早いうちに距離を取る方法を検討していきましょう。
DVやモラハラの相談窓口は全国に多数設置されています。
片っ端から相談し対策を進めてみてください。
早く離婚する方が後々有利に
覚えておきたいのは「離婚を先延ばしにするよりも早い方が有利にはなりやすい」という事実です。
早いうちに離婚した方が再婚しやすいですし、仕事を探すにも若い方が有利です。
また離婚したいという思いを抱えたまま嫌いな相手と過ごす時間は多大なストレスのはず。
早く離婚すれば、それだけ早くストレスから解放されます。
配偶者が退職するまで待つ
早く離婚した方が有利ではありますが、退職まで待つという考え方もあります。
配偶者が高収入かつ後数年で退職するなら、退職日まで離婚を待っても良いでしょう。
退職金から慰謝料を支払ってもらえる状況になりますし、場合によっては厚生年金の3号分割請求ができるためです。
離婚を切り出した後の生活を想像しよう
離婚により生活は大きく変わるはずです。
離婚を切り出す前に離婚後の生活をできるだけリアルに想像しておきましょう。
家賃はいくらなのか、家事は誰がいつやるのか、子育ての時間をどうやって取るのかといった具体的な生活を想像し、離婚後に向けて「今から準備すべき事」を洗い出してください。
新生活をスムーズに始めるための足がかりになりますよ。
生活水準が下がる可能性がある
相手の経済力に頼っていた場合、一般的には離婚後の生活水準が下がります。
離婚前から削れる出費は削り、生活水準を下げても暮らしていけるよう心の準備をしておきましょう。
また自分の貯金を減らさない努力も必要です。
生活費を自分で稼ぐ必要がある
専業主婦(夫)であるなら、離婚後は働くことになるでしょう。
離婚してから勤務先を探しても、すぐに働ける保証はありません。
離婚後の生活費が不安なら、離婚前から求人に目を通したり資格を取得したりして転職活動を始めましょう。
家事をすべて自分ひとりで行う
実家に帰れるならともかく、誰にも頼らないなら家事も育児も自分1人で行うことになります。
仕事もするならさらに大変です。
経済的に余裕があるなら、食洗機や乾燥機付き洗濯機、お掃除ロボット等を購入して家事だけでも楽にできるよう工夫しましょう。
子どもには良い影響がある場合も
離婚に罪悪感を持つ必要はありません。
「離婚=子どもに悪影響」と考えがちですが、一概にそうも言い切れないのです。
仮に夫婦喧嘩が絶えない家庭だったとしたら、離婚せず罵倒が飛び交う中で育つよりも、片親から愛情深く育てられた方が安心できるかもしれませんよね。
避けたいのは、子どものために離婚しないという選択をすることです。
「離婚したかったけれど、あなたのために離婚を諦めた」と言われて喜ぶ子どもはいません。
「早く離婚してくれたら良かったのに」とまで思われる可能性すらあります。
子どものためを想うことは悪いことではありません。しかし親が犠牲になりすぎるのは、子どもにとっても親にとっても良いことではないのです。
離婚のタイミングまとめ
離婚の最適なタイミングは、ご家庭の事情によって異なります。
ただ1つ言えるのは、もののはずみで離婚するのはおすすめしない、ということ。
何の準備もせずに感情的に動くと、離婚後に必ず後悔します。
離婚はあなたや子どもの環境を大きく変えてしまいますから、ぜひ時間をかけて最適なタイミングを検討しましょう。
以上です。
行政書士松浦智昌
行政書士松浦総合法務オフィス