この記事で寄り添うお悩み
- 仮面夫婦って子供にどう影響するの?
- 実際に子供が感じていることを知りたい
- 子供がいる場合、今後どうするのがいいのかな
仮面夫婦とは、「外から見ると違和感がないのに、実際には冷え切った関係の夫婦」のことを言います。
「うちはケンカばかりしている夫婦とは違うし、特に子供に影響なんてないのでは?」と思っていませんか。
実はそんなことはありません。子供は、大人が考えている以上に敏感です。
ですから、両親の関係性について知らない、何も感じていないはずがありません。
また、「子供のために離婚しない」という選択をした夫婦も多いのではないでしょうか。
しかし、これは一概に正しいとは言いきれません。子供のためを思うなら、多少ぶつかってでも、夫婦できちんと向き合う方が良いでしょう。
そこでこの記事では、仮面夫婦が子供に与える影響や、仮面夫婦の家庭で育つ子供の本音を徹底的に解説していきますね。
また、それを踏まえて、子供がいる仮面夫婦の選択肢についても紹介し、あなたにとっての道標を示していきます。
この記事の著者
仮面夫婦が子供に与える影響
両親の関係が冷え切っていることを子供は敏感に感じ取っています。
子供は大人が考えている以上に、まわりの大人のことを見ているからです。
ましてや、大好きな両親のことですから、気づかないはずがありません。
そうでなくても、友達の家に行ったときや学校行事のとき、「自分の両親は他の家庭とは違うな」と分かるでしょう。
子供への悪影響として考えられるのは、以下の3点です。
なぜこのような影響があるのか解説します。
問題行動を起こすようになる
一般的に、学校で問題行動を起こす子供は家庭に問題を抱えていることが多いと言われています。
仮面夫婦の家庭で育った子供の場合、家庭で居場所がないと感じたり、両親に対して複雑な感情を抱いたりすること影響していると言えるでしょう。
そのため、精神的に不安定な状態になり、感情のコントロールがうまくできなくなってしまいます。
そして、親に関心を持って欲しいという気持ちから、問題行動を起こすようになることがあるのです。
目の前の問題から逃げるクセがつく
仮面夫婦は、夫婦としての問題から目を背けて互いに距離を取っています。
そんな両親の関係を見て、子供は何を学ぶのでしょうか。
毎日顔を合わせる相手と向き合わないということは、目の前にある問題を見ないふりしているのではないでしょうか。
自分の気持ちからも逃げている姿を子供に見せていることと同じと言えます。
そのため、子供も都合の悪いことは見ないふりをするようになってしまうかもしれません。
我慢する・自分の気持ちを隠す
子どもは家庭に漂うピリピリした雰囲気を何とかしようと、無理してしまうことがあります。
両親に良い関係でいてほしいという思いで、必要以上に明るく振る舞おうとします。
また、自分が何とかしなくてはという責任感から、場の空気を読んで行動するようにもなります。
そのため、実年齢より大人びている子になる場合も少なくありません。
そして、我慢して自分の本当の気持ちを言えなくなっている可能性があるのです。
仮面夫婦の家庭で育つ子供の本音
仮面夫婦のもとで育った子どもは、両親の様子を見てなにを思っているのでしょうか。
実際に仮面夫婦の家庭で育った子供の本音を紹介します。
自分のせいで親が不幸なのだと感じた
「あなたのために一緒にいるんだよ」などと子供に言ったことはありませんか。
それは、子供に愛情を示すために言った言葉だったかもしれません。
しかし、子どもは「私がいるから両親は我慢して一緒にいるんだ」と受け取ってしまいます。
また、子供の存在を言い訳にしているように感じてしまうでしょう。
離婚すれば良いのにと思っていた
親が思っているよりも子供は冷静に状況を見ているもの。
子供は、お父さんにもお母さんにも幸せでいてほしい、自分自身のために生きてほしいと思っています。
無理して一緒にいるよりも、お互いが幸せになる選択をした方が良いと、子供ながらに本気で感じているのかもしれませんね。
親がどんな選択をしたとしても、子供が納得できるまでしっかりと説明すれば、理解してくれるはずです。
結婚したくないと思うようになった
仮面夫婦の家庭で育つと、結婚生活に夢がなくなってしまいます。
両親の冷め切った様子から夫婦という関係に期待できなくなるからです。
あんな関係になるくらいなら1人で暮らしたい、と独身でいるという選択をした方もいるようです。
人生の一大イベントである「結婚」への価値観をも変えてしまう可能性は、認識しておかなければいけません。
子供がいる仮面夫婦の選択肢3つ
子供がいる仮面夫婦の場合、選択肢は主に3つあります。
選択肢①:子供に知られないように現状を楽しむ
現状をポジティブに捉え、仮面夫婦を楽しむという選択です。
仮面夫婦はお互いに距離を取っているため、既婚でありながらも1人でもしくは子供と2人で行動できます。
例えば、趣味や習い事といった自分の好きなことに時間を使うのもよし、公園や買い物など子供と一緒に笑って時間を使うのもよしです。
楽しい様子が伝わってさえいれば、子供への影響を限りなく抑えることができるでしょう。
選択肢②:子供に知られてでも夫婦の溝を埋める
夫婦の間に入ってしまった溝を埋めるのは簡単ではありません。
二兎を追う者は一兎も得ずという言葉があるように、子供に知られずに夫婦関係を修復するのは困難を極めるのです。
なので、子供に知られることを覚悟しましょう。
とはいえきっかけさえあれば、徐々にもとの関係に戻れる可能性は十分にあり得ます。
まずは、「目を見てあいさつをする」、「感謝を言葉にして伝える」といった簡単な行動から始めていきましょう。
他にも、記念日を祝う、レジャーに出かけるなどのイベントをこなすことが修復のきっかけになることがあります。
しかし、すぐに関係が良くなるとは限りませんので、相手への思いやりを持って根気よく努力を続けてくださいね。
選択肢③:子供の将来を背負ってでも離婚する
離婚する場合には、離婚後の生活はどうやっていくのか、子供の親権はどうするのかなど検討すべきことが多くあるでしょう。
しかし実際に、離婚した後の方が家族の関係性が良くなったというケースもあります。
ただし、子供のことを最優先に考え、慎重に事を進めなければなりません。
「できるだけ子供に影響がないように」と思うなら、子供にしっかりと説明し、必ず意見を聞いてあげましょう。
子供がいない仮面夫婦が離婚で幸せになれる2つのケース
子供がいない夫婦の場合、「離婚しようかな」と考えている方も多いのではないでしょうか。
離婚して幸せになれるケースもありますので、2つ紹介しておきますね。
子供が欲しいケース
子供が欲しいなら離婚した方が幸せになれるケースも多いです。
お互いに冷え切っている、スキンシップがない関係で子供を授かるのは無理がありますよね。
もし子供が産まれたとして、協力して子育てができるでしょうか。
ですから、子供が欲しいと考えるなら、離婚して別のパートナーを見つけたほうが幸せになれるでしょう。
経済的に自立しているケース
夫婦どちらにも、離婚後に1人で暮らしていけるだけの経済力があるケースです。
その場合、離婚して再び独身を満喫してみるのもありなのではないでしょうか。
「1人で好きな場所に住んで、好きな仕事をする、もしかすると恋をすることもあるかも」と考えるとワクワクしてきませんか。
それを想像すると心が躍るという方は、離婚により幸せになれるかもしれません。
仮面夫婦は大人だけの問題じゃない
仮面夫婦が子供に与えるのは、悪い影響ばかりです。
子供のために仮面夫婦でいることが、実は子供を傷つけているかもしれません。
そして、子供のためを思うなら、現状を変えるのが最善という場合もあるのではないでしょうか。
どのような選択をしたとしても、子供のお父さん・お母さんという事実に変わりはありません。
自分も子供もみんなが幸せになれる方法を一緒に考えられたらいいですよね。
もし、子供の事を考えるとどうしていいか分からなくなったり、仮面夫婦でいることの迷いを拭い切れない方は、いつでもご相談ください。
行政書士松浦智昌
行政書士松浦総合法務オフィス