家庭内別居とは?家庭内別居の上手なやり方や行く末を徹底解説

この記事で寄り添うお悩み

  • 家庭内別居とは?どんな生活?
  • 家庭内別居の行く末について知りたい
  • 家庭内別居のやり方でコツがあれば教えてほしい

もう愛せないと感じる配偶者と、離婚に踏み出せない状態で共同生活を続けている夫婦は多いです。

理由は夫婦によるとはいえ、家庭内別居は珍しくありません。

橋ジョージさんや唐沢寿明さん、アンジェリーナジョリーなどの大物有名人も家庭内別居の経験者だと言われています。

夫婦仲が悪いとはいえ、環境がガラリと変わってしまう別居や離婚は選択しづらいものですよね。

しかし家庭内別居により夫婦の問題が解決するケースもあれば、家庭内別居の末に離婚になる場合もあり、家庭内別居は簡単なものではありません

そこでこの記事では、ストレスを感じている夫婦に向けて、家庭内別居とはどんな生活なのかや家庭内別居の行く末家庭内別居の上手なやり方について徹底的に解説していきます。

家庭内別居についてお考えの方は、この記事を何度も見返して家庭内別居による失敗を避けられるように準備をしていきましょう。

この記事の著者

行政書士松浦智昌

行政書士松浦総合法務オフィス

家庭内別居とは?法律的な定義はない

家庭内別居と呼ばれる状態に、法律的な定義は用意されていません。

一般的には、夫婦関係が破綻している中で同居している状態を「家庭内別居」と呼ぶ場合が多いです。

先に重要なことをお伝えするなら、定義がないからこそ夫婦でしっかり話し合い家庭内別居のルールを決めておくと、少ない負担で家庭内別居を進められます。

夫婦の気持ちが冷めきっており、共同作業をする機会がない場合には家庭内別居をしていると判断されやすいですが、線引きは非常にあいまいなもの。

同じ家に住んでいるだけでお互いに全く関与しない「仮面夫婦」のケースもあれば、愛情はないけれど同居人として協力して生活をしている夫婦など、夫婦によってパターンはさまざまなのです。

家庭内別居とはどんな生活?

家庭内別居とはどんな生活をイメージされますか?と聞くと、意外にも応えられない方が多いです。

明確な線引きはないためでしょうが、「これから家庭内別居をする」「実は家庭内別居状態かも」という方は、生活の様子を知っておいて損はないでしょう。

よくある「家庭内別居の生活」を5つご紹介しますので、参考にしてみてください。

会話がなく無視し合う

同じ屋根の下にいるのにほとんど会話がない、あるいは話しかけても一方が無視をするという状態です。

「相手の本音を知りたい」「自分の思いを伝えたい」といった気持ちが欠落しており、家の中に静かで寂しげな空気が流れていきます。

どうしても話す必要がある時は、ちょっとした緊張感が漂うのも特徴です。

相手の生活に関与しない

一緒にご飯を食べるどころか、相手のご飯を作らないケースも多いです。

「勝手にさせてくれ」「お世話はしたくない」という感情から、相手の生活に関与する時間が極端に減ります。

一つの家に「本当の他人がいる」ような生活になりやすいです。

寝室が違う

部屋が十分に余っていなくても、寝室を分ける夫婦が多いです。

寝るだけなら大丈夫と思える人も一定数いますが、ほとんどは「近づくのも嫌」と感じています。

気が緩みやすい夜の時間ですら、相手との距離を意識してしまうのです。

性交渉が一切ない

普段の関わりは避けていても、定期的に性交渉をする夫婦は多く存在します。

性欲は「三大欲求」の一つであるため、同じ家庭にいながら「絶対に交わらない」と割り切るのは難しいでしょう。

しかし、家庭内別居が進行している夫婦は、性交渉が一切なくなる点が特徴的です。

お互い別の相手と関係を持っている

お互いが他に相手がいることを了承しながら、生活している場合もあります。

それぞれが、好きな時に好きな人に会いにいくのです。

家庭内別居に至っていない夫婦なら「不倫」にあたり大きな問題へと発展しますが、家庭内別居中の夫婦は気にしなくなります。

※相手が了承する前に別の相手と関係を持ってしまった場合は、慰謝料の問題になる可能性があることは覚えておいてくださいね。

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家庭内別居の行く末とは

家庭内別居の行く末としてよくあるのは、下記の2パターンです。

  • 仲の良さを取り戻す
  • 離婚の決断を後押しする

家庭内別居で距離をおいたことを機に、お互いの必要性を感じて仲が回復するというケースもありますが、最終的には離婚になる夫婦も多いです。

どこまでいっても人間ですから、「距離を置けば気持ちが戻る」という単純な関係ではないことを覚えておきましょう。

なので、家庭内別居の正しいやり方を知り、家庭内別居のルールを確実に決めておく必要があります。

家庭内別居は夫から?妻から?

家庭内別居に陥るきっかけは、日常の中に潜んでいます。

夫・妻どちらかから家庭内別居を宣言するものではなく、「気づいたらなっていた」というケースが多いです。

例えば下記のように、夫婦生活をしていたら当たり前に起こる状況が、家庭内別居の発端になってしまいます。

  • 夫婦喧嘩
  • 単身赴任
  • マンネリ

見てもらうとお分かりになると思いますが、DVやモラハラ、浮気のような程度の大きい事だけではありません。

夫婦といっても元々は他人どうし。

ちょっとした事で心の距離が広がると物理的にも距離を取りたくなるのが人間です。

日ごろからの「寄り添い」が夫婦関係の維持には重要と言えるでしょう。

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家庭内別居の楽しい点とは

夫婦関係は良くないのに、離婚をせずに家庭内別居を選ぶ理由はなんでしょうか?

家庭内別居が楽しいと感じる点を3つご紹介しますので、あなたにとって魅力的かをぜひ1度考えてみてください。

生活水準を維持できる

夫婦が一緒に住んでいれば家賃や光熱費を2人で割ることができるため、別々の家に住むよりも費用がかからない場合が多いです。

夫婦のどちらかが専業で家事をしている場合、離婚をしてすぐに自立をするのが難しいというケースもあるでしょう。

仕事をしている側としても、家事と仕事を両立させるとなると負担が増えます。

一緒にはいたくなくても、生活面や費用面でお互いの存在が必要だと感じる場面は多いです。

距離を置きつつも生活水準を維持できるという状態は、人を前向きな気持ちにさせてくれます。

世間体を守りつつ生活を変えられる

家庭内では夫婦としてほとんど成立していなくても、世間体は守れます。

職場や子供の学校への報告、通勤や通学方法の変更などといった必要もなく、周囲からの目も気にする必要がありません。

周りの人たちを巻き込むことなく家庭を継続できるため、余計な手間暇をかけたり、気に掛けずにいられます。

生活に余裕がないときに離婚へ踏み出してしまい、周りへの対処で精神的にも体力的にも追い詰められてしまう夫婦はとても多いです。

いざ離婚となると、慰謝料や財産分与など面倒な取り付けも必要に。

離婚の条件が自分たちで決められない場合は裁判になり、やっと役所への届出となります。

時間もお金もかかる労力戦になるのが目に見えており、その間も周りからの目線は気になるはずです。

家庭内別居は世間体を守りながら生活を少しずつ変えられるため、家庭内別居になる前はできなかったことにも挑戦できます。

常に夫婦セットで考えていた生活に、「一人時間の楽しさ」を見出せるのでしょう。

最小限の環境変化で子供と過ごせる

子供がいる場合、離婚をすれば夫婦のどちらか一方が主に子供の世話をすることになります。

場合によっては、引っ越しや転校、苗字の変更をともなうでしょう。

しかし家庭内別居なら、生活環境を大幅に変える必要はありません。

心に溝があったとしても、今までどおり同じ家に住み、子供と接することができますよね。

別居や離婚の決断をする前に、夫婦関係修復のきっかけを探るチャンスも残ります。

環境を変えるには相応の覚悟と体力がいりますので、生活環境の変化を最小限に子供と過ごせる点は良いと言えるでしょう。

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家庭内別居の上手なやり方・コツとは

家庭内別居は突然始めるのではなく、事前の準備がとても大切です。

いくら家庭内であっても別居となるので、冷静になるきっかけとなるケースもあれば一人になりたいという思いを加速させる場合もあります。

成り行きで家庭内別居をするのではなく、しっかり準備をして「二人が望む夫婦の関係」に近づけていきましょう。

特におさえておきたい家庭内別居のやり方は、下記の7つです。

目的を共有する

家庭内別居を始める前に、必ず夫婦で目的を共有しましょう。

  • なぜ家庭内別居をするのか
  • 家庭内別居をすることでどうなりたいのか
  • お互いの目指す方向性は合っているのか

少なくとも相手の考えを知らないと、夫婦間のすれ違いは広がる一方です。

すでに二人の関係が悪くなってしまっている場合には、前向きに家庭内別居をしたいと伝えることから始めて大丈夫ですよ。お互いに歩み寄るためのきっかけになるかもしれません。

順を追って話し合いを重ね、最終的には目的を共有するようにしましょう。

世間体を考える

近所間で交友がある場合は、夫婦の違和感に気づかれる可能性を想定しておく必要があります。

一人で出かける機会が増えたり、一緒にいてもその関わり方に距離が生まれていたりすると、気づかれるのは時間の問題です。

それでも家庭内別居を選ぶのか、世間体を気にして一旦やめるのかは、2人の意見をすり合わせておきましょう。

意見に相違があるままだと、家庭内別居もうまく進まないことが考えられます。

収入源を確保する

特に主婦の方は、収入源の心配をしておかなければいけません。

「しばらく距離をとって夫婦関係について考えよう」という目的で家庭内別居をスタートさせたとしても、結果的に本格的な別居や離婚へと向かう可能性も十分にありえるのです。

一人になってからお金の心配をすると、働きづめの生活を強いられたり、したくもない借金をすることになりかねません。

常に最悪のケースを想定して動いていきましょう。

勝手に始めない

意外に多いのが、勝手に家庭内別居を始めようとするケースです。

独りよがりで始めてしまうと、お互いの想いに大きな乖離が生まれ、すれ違いが加速してしまいます。

距離を置くことで相手に自分の気持ちを察して欲しいと思ってしまうかもしれませんが、その身勝手さが二人の関係をより悪化させるのです。

これから家庭内別居を始めようと思っている方は、必ず相談してからスタートするようにしましょう。

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子供に話すかを決める

家庭内別居をして両親の間に距離が生まれることは、少なからず子供に影響を与えます。

暴言が日常的に聞こえる状態なら離れたほうがいいでしょうし、子供の前では夫婦仲の悪さを隠せていたなら離れることで余計な心配をかける場合もあります。

なので、子供に伝えたほうがいいかどうかは夫婦の状態によるのです。

二人の都合で家庭内別居をするのですから、子供には最大限の配慮をしていきましょう。

両親への報告有無を決める

二人の結婚を後押ししてくれた両親へ報告するかも、決めておくとスッキリします。

両親の家が近くて来てもらったり、年末年始で顔を出したり、家族の不調などで助けを借りたりする場面はどの夫婦にもあるものです。

両親への報告をせずに、あるとき家庭内別居を知ってしまった両親は動揺してしまうでしょう。

出来れば伝えておく方が、協力も得やすいですよ。

決め事を設定する

家庭内別居をする際に最も大切なのは、ルールを設定することです。

何も決めずに家庭内別居を始めると、同じ場所にいるのに声をかけないだけの嫌な環境を作り上げてしまいます。

家庭内別居は通過点のはずですから、快適さに加え、二人にとっての明るい未来につなげることが大切です。

例えば、

  • 共有部分の使用方法
  • 子供への対応
  • 将来への姿勢

を決めておくといいでしょう。

お互いが今よりもストレスを感じずに共同生活をするために、しっかり話し合って決めておくことをおすすめします。

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家庭内別居での注意点とは

家庭内別居には注意点もあります。

失敗を避けるために、注意点をしっかり把握して家庭内別居と向き合っていきましょう。

子供に悪影響を及ぼす可能性がある

両親の関わり方が変わりますから、家庭内別居は子供に影響を与えます。

夫婦が一緒にいれば子供のためになるかというと、そんな単純ではありません。

子供は大人が思っている以上に敏感に両親の様子を察知するため、両親が不仲で居心地の悪い家庭を作ってしまえば、不安を与えてしまうことも。

両親の関係が不穏なのを見て育った子供は、自分のせいで両親が不仲なのかもしれないと思ってしまう場合があります。

そのせいで自分の感情を押し殺すようになったり、人と安定的なコミュニケーションをとれなくなることも少なくないのです。

親の機嫌をうかがいながら成長することで心が不安定になりやすく、自尊心が乏しくなり、人間不信になるなど人格や思考回路にまで影響を与えてしまうことも。

子供のためにと言いながら喧嘩する姿ばかりを見せていると、子供にとっては大きなストレスになってしまいます。

両親にはわからずとも、子供にとって一番辛いのは両親が傷つけあっているところを見ることです。

家庭内別居をすると決めたのなら、子供の前では夫婦笑顔で接することを徹底しましょう。

ストレスがたまる

誰しもが、嫌いな人と生活するのはストレスがたまるものです。

お互いのことを想っていたときには気にならなかった小さいことも、嫌いになってからはいちいち目につき、イライラの原因になるでしょう。

直接関わっていなくても、同じ屋根の下、同じ空間で生活をするうちにストレスを感じてしまいます。

かといって直接注意をすると、より不穏な雰囲気になり負担を感じることも。

同じ空気を吸っているだけで嫌だと思ってしまう場合や、相手の生活がどうしても自分の生活に支障をきたすなら、家庭内別居は難しいかもしれません。

家庭内別居を始める前に、家庭内別居中の男性・女性心理を把握しておくとよいでしょう。

不倫と慰謝料のリスクが中途半端に生じる

家庭内別居中の夫婦にとっては、家庭にいる時間が苦痛になりやすいです。居づらくて外に出る機会も多くなるでしょう。

配偶者に対する気持ちがないときこそ、他の人へ目移りしてしまうものです。

そうして、不倫をするきっかけが増えたり、不倫による慰謝料発生のリスクへとつながっていきます。

不倫をされると、夫婦関係の溝が深まるだけでなく、法的なやり取りにより自分と相手の自由を両方奪うことに。

家庭内別居をするにしても正しいやり方を把握しておく必要があるのです。

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「家庭内別居とは?」まとめ

家庭内別居とは、「新しい夫婦の在り方」を自分たちで決めるものと言えるでしょう。

決まっていないからこそ、別居と比べて家庭内別居の方が難しい側面もあります。

同じ家に住む以上顔を合わせることは避けられないですし、家庭内別居のルールが守れていないと不満を感じる機会も多いのです。

  • 自分たちが家庭内別居状態なのか分からない
  • 自分たちに合った家庭内別居のやり方を教えてほしい
  • 了承して家庭内別居を始めたけど、相手が決め事を守らない

このような方は、一人で抱え込まずに当オフィスまでご相談ください。

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  • この記事を書いた人

松浦智昌(マツウラトモアツ)

当サイトでは、夫婦関係で悩むあなたが「孤独を感じない」ように導いていきます。私、松浦が、年間1,000件を超える面談実績から、法律論のみでジャッジしない、カウンセリング、コーチングを織り交ぜた相談対応をすべて自身で実施。夫婦相談をする傍ら、企業役員から芸能人のコーチングコンサルティングも多数進行。趣味は哲学と”使える”心理学の探求。LGBTに関する書籍やコラムも執筆。

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